この記事は、こんな人におすすめです。
・論理が複雑な論文で迷子になってしまう人
・単語の意味はわかるのに、論文全体の主張がつかめない人
そんな人も、この記事を読むとこのようなことがわかります
・マインドマップを使うことで論文の内容を上手に整理する方法
・マインドマップを使って、確実に理解する方法

XMind、MindMaster、MindMeisterの無料版と有料版を使った経験から、わかりやすく解説します。

良さげな論文見つけたはいいけど、内容が複雑でうまく整理できないな…
今回は、そんな人のために、手に入れた論文をどのように整理して要約するかをわかりやすく解説します。
これが身に付けば、手に入れた論文を最大限活用できるに違いありません!
それでは見ていきましょう。
マインドマップで論文を読む方法
マインドマップを使うと何がいいのか。それは、「思考が見える化」することです。
多くはの場合、自分の頭の中を整理するときに役立ちます。しかしそれにとどまりません。
他人が書いた文章をマインドマップで階層化することで、論文なども容易に読むことができます。

他人の文章から、その人の頭の中を描き出すというわけだ
今回は、より効果的に論文の内容を整理する方法をお教えします。
データ集
今回は実際に論文を使って、XMindというソフトウェアでマインドマップを作成してみました。
使用した論文
杉本正信(2021)遺伝子ワクチンによるパンデミックの克服.現代化学.601.30-35
マインドマップ
・トマト王子作成↓

6ページの論文がざっとこんな感じに仕上がります。

これは一例に過ぎません。
自分がわかるようにまとめればいいので、正解は一つではありません。
こちらのURLからマップにアクセスすることもできます。
マインドマップを作る手順

それでは実際にマインドマップを作っていきましょう~
論文をまとめる手順は以下の通りです。
1.要約や前書きをまとめる
2.目次・章・節を並べる
3.段落ごとに要約する
4.見やすく加工する
これを見ればわかるように、手順はとてもシンプルです。
したがって、何となくでもまとめられてしまうものですが、ポイントを押さえると格段に質の良い整理ができます。
ここからはそのポイントをお話しします。
要約や前書きをまとめる

論文のはじめには多くの場合、要約が書かれています。抄録やアブストラクトとも言われます。
研究者らは論文を読んでもらうために、要約にはその論文の最も重要な部分を凝縮しています。
ですからこの要約をきちんとまとめることが、論文を理解するためのスタート地点です。
このスタートがうまくいけば、ゴールの半分まで来たようなものです。

スタートが肝心!ゴールをしっかり見据えよう!
うまくまとめるには次の点に注意しましょう。
・この研究からは何がわかるのか
・この研究の新規性は何か
・どのような問題を解決するのか
・どのように問題を解決するのか
もちろん、これらすべてが要約の中に書いてあるわけではありませんし、自明のこともあるので自分が必要だと思う情報をまとめましょう。
論文のテーマを理解して、全体像をつかもう
目次・章・節を並べる

要約ができたらまずは論文を部分に分けましょう。章に題名がついていればそれを使うとわかりやすいです。
そうでない場合は「序論・本論・結論」もしくは「緒言・実験・結果・考察」などのようにするとよいです。

明確な決まりはないから、自分なりにわかりやすく章・節を分けてみよう
次にその章の下の階層に節を並べます。多くの場合、番号が振ってあればそれを参考にしましょう。
最初は節番号をそのまま階層として作成すれば大丈夫です。
慣れてきたら、関連する節をくっつけたりあるいは分割したりするとさらにわかりやすくなります。
論文の初めから終わりを見通して、迷子にならないようにしよう
段落ごとに要約する

最初にまとめた要約を軸として、どの部分が重要であるかを段落ごとに吟味して要約しましょう。
その際にポイントとなるのがこちら
・冒頭の「なに、なぜ」を解決するために必要な情報を抜き出す
・無駄な文章を省く
・手順・論理の道筋を明確にする
内容をしっかりと吟味できれば、読んでいる最中はもちろん、あとから読むときにも大いに理解の助けになります。
自分の理解度に応じて、忘れてしまいそうなことは書き残しておきましょう。すでに知っている理論などは名前だけ残しておくだけでも良いです。

後から読むときのことも考えてまとめよう
それぞれ段落がどのような意味を持っているのかを考えながら読むことで、論文が伝えたいことを丁寧に拾い集めていきましょう。
段落ごとに要点を抜き出すことで、前後の関係がよくわかる
見やすく加工する
内容をまとめることができたら最後は見やすくしましょう。慣れてきたら、要約と同時進行でも問題ありません。
視覚的に統一感を持たせることで、思考の整理に役立ちます。その方法はこちらです。
・装飾機能を使ってグループ分け
・メモ・URLを添付
・絵文字・アイコンを使う
今回使用したXMindでは、目的に応じて様々に装飾することができます。
装飾機能を使ってグループ分け

文字の色・文章の背景の色・文字の大きさ・枠の形などのオプションがあります。
ありすぎてどれを使えばいいのか困るかもしれませんが、使いやすいのは背景色の変更です。
重要箇所が一目でわかります。
画像・URLを添付

内容をより深く理解するために、時には長い文章や、参考サイトなどの情報を載せたいこともありますよね?
そんなときは、画像、URL、メモを添付しましょう。
うまく使えば、ごちゃごちゃになるどころか、なおさら見やすくなりますよ!
ソフトによって、どこまで無料で使えるかは異なってきます。無料の範囲内でどこまで使えるか一度試してみましょう。
絵文字・アイコンを使う

絵文字やアイコンは、よく使う言葉を人も自分で表せるので便利です。
使ってみてはどうでしょうか。いちいち書かなくても、見るだけで伝わればその方がいいです。
こちらでも効果的な装飾を紹介しているので、そちらも参考にしてみてください。
それでは少しおさらいをします。
論文をまとめる手順は以下の通りでしたね。

まずはこの通りやってみて、できるようになったら自分のやりやすいように変えていってみてください。
皆さんの研究室生活が少しでも有意義なものになることを願っています。
マインドマップ完全講義全9回
シリーズ全9回をまとめました。リンクが埋め込まれているので、知りたい情報のところをクリックしてみてください。
シリーズ全9回をまとめました。興味のあるところから御覧ください
- 【第1回】マインドマップ完全攻略!初心者でも使いこなす方法を伝授
- 【第2回】マインドマップを使う5つのメリットがすごすぎる!
- 【第3回】マインドマップの機能を1から解説!見やすい装飾から有料プランまで
- 【第4回】マインドマップで点数をアップするすごい勉強方法
- 【第5回】理系大学生必見!論文を深く理解するためのマインドマップ術
- 【第6回】マインドマップで、伝わるレポート・プレゼン資料作成!(Coming Soon…)
- 【第7回】マインドマップでTo Do リストを作る裏技を公開
- 【第8回】きれいに整理!記憶に残る!マインドマップ読書術
- 【第9回】初心者におすすめのマインドマップ3社徹底比較
まとめ

今回はシリーズ第5回として、誰でも論文が簡単に読める方法をお伝えしました。
初めはもちろん時間がかかります。しかし、やればやるほどあなたの中に積み重なって、いずれは費やした時間以上のものが得られるに違いありません。
この講義を通して1つでも多くテクニックを持って帰ってもらえればと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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